さまざまなメーカーから、たくさんの種類が発売されているオーディオアンプ。
その選び方、比較の仕方は非常に難しいものです。
特に、同じような価格帯で好みのデザインなどの条件を満たしたアンプが複数ある場合、さらに比較は困難になります。
最終決定は、試聴した結果や音の方向性などで決定すると思いますが、意外と比較する際に見落としがちなポイントをまとめました。
意外と重要な単純な数値
アンプを比較するために必要なポイントのひとつは、スペック(数値)を見るという方法です。
音質に影響するような数値というと、ダイナミックレンジやSN比といった数値を思い浮かべると思いますが、もっと単純なスペックで比べることも非常に重要です。
ひとつは、アンプの定格出力。
これは、できるだけ高いほうがいいのですが、接続するスピーカーの相性により決めましょう。
理想は、アンプの定格出力が、接続するスピーカーの許容入力の2倍程度になるあたりといわれています。
これよりも出力が少ないと、アンプの出力が弱すぎて、音量を上げても弱弱しい、メリハリのない音しか出ない可能性があります。
また、逆に出力が高すぎると、音割れなどのスピーカーの故障の原因になる可能性があるので、実は重要な指標です。
また、重量が重ければ重いほど、良いアンプだといわれることがあります。
これは、重量が重いことがよいとされる理由としては、電源部に重いトランスやコンデンサーなどの主要部品が使われていることから、アンプの土台となる電源部に余裕があること、重さがあることなどにより全体的に頑丈で、振動に強いという理由があります。
なお、振動対策としては、鉛のテープを貼るなどの加重による対策は可能です。
もし同じ価格帯であれば、重量の大きさをひとつの指標として確認しておいていいでしょう。
アンプの機能はどれも同じ・・・ではない!
もうひとつは、アンプに自分が必要としている機能があるかどうかということです。
意外に忘れがちなのですが、MCカートリッジでレコードを使うにもかかわらずフォノアンプがついていないプリメインアンプを買ってしまったり(あらかじめ別途フォノアンプを購入するつもりの場合は別)、バイワイヤリングに対応しているスピーカーを持っているのに、アンプのほうが対応していなかった、ということが意外とあります。
アンプなら使える機能は全部同じ・・・と、なんとなく思っていると、思わぬ落とし穴が待っていることもあります。
また、ハイエンドクラスなどで、バランス端子がついていないものもあったりしますが、スピーカーの音のバランスがやや崩れることは起こりやすいので、念のためついているものを選んだほうが良いように思います。
このように、機能もすべてのアンプが同じようで、微妙に違ってきますので、必ず比較する際の参考にしましょう。
目的は良いアンプを選ぶことではない
以上、シンプルですが、意外と見落としがちで、かつ比較に便利なポイントをまとめました。
ここでの大きなポイントは、「他の組み合わせる機器との関係性で決める」ということです。
アンプに限らず物を選ぶとき、人はついついその物だけ、あるいは同じ種類のもの同士で比較・検討をしてしまいがちです。
しかし、大事なことは、あくまでもベストなオーディオシステムを構築すること。
このことを忘れず、アンプの比較をしたいものですね。