ギターアンプなどの真空管アンプにおいては、いろいろな調整やメンテナンスが必要になる場合があります。
その中でも、重要な調整といわれるもののひとつが、バイアス調整です。
バイアスとはどのようなものなのでしょうか?
そして、どのように調整が行われるものなのでしょうか?
真空管アンプにおけるバイアスとは何か?
まずは、真空管のバイアスとは何か?を簡単にまとめてみましょう。
バイアスとは、簡単に言うと「真空管に対してどれだけ負荷がかかっているか?」ということをあらわします。
真空管に限らず、オーディオアンプなどの回路などでは、トランジスタや真空管を動作させるために電圧がかかります。
これを適切な状態に維持するために、電圧を変化(調整する)ことありますが、このとき、電圧そのものを増やしたり減らしたりするのではなく、減らしたいのなら、減らしたいだけマイナスの電圧をかけるようにして調整を行います。
たとえるなら、今日は甘くないお菓子を作ろう!と思ったときに、砂糖の量を減らして甘さを抑えようとするのではなく、甘さと逆のもの(たとえば塩)を多めに入れて、トータルで甘さを減らそうとするようなものです。
このマイナスの電圧(調整したい電圧をコントロールさせるための電圧)をバイアスと呼びます。
バイアスのかかる量によっては、音質そのものが変化したり、真空管の破損・故障にもつながるため非常に重要な要素だと言えます。
バイアス調整とは、この電圧のコントロールを意味し、真空管アンプのバイアス調整は、ギターアンプなどで行われることが多いものです。
ちなみに、バイアス調整は真空管アンプには不要という話も時折聞かれますが、これはアンプのモデルにもよるので一概には言えません。
具体的なバイアス調整方法はモデルによって異なる
バイアス調整の具体的なやり方は、そのアンプのモデルによって仕方が異なります。
おおまかには、まずパワーアンプ部付近のフタをあけて、回路が見える状態にします。
そして、バイアス調整用のポットという部品が存在するので、これを廻すことによって、バイアス電圧を調整していきます。
電圧を変化させるということになるので、当然その変化がわかるように測定のテスターなどを用意しておきましょう。
また、回路内を電源をつけた状態で触れることになるため、感電防止策をしっかりとることが重要です。
ゴム手袋などをつけて作業するのが望ましいでしょう。
まずは自分のアンプの種類を確認しよう
まずするべきことは、自分の持っているアンプが、バイアス調整不要のものか、そうでないのかという選別です。
そのアンプが、自己バイアス方式なのか、固定バイアス方式なのかにより、バイアス調整が必要かどうかがわかります。
一般的には、固定バイアス方式を採用しているアンプは、内部にポットがあるので、これで調整を行います。
アンプの販売店などでは、どのアンプも調整不要という、誤解を招く説明をする店員さんも多いと聞きます。
まずは、自分のアンプがどのタイプなのかを確認しておきましょう。