オーディオアンプを選ぶ際のポイントのひとつが、その出力値です。
カタログなどをみると、W(ワット)で表示されているこの出力値ですが、果たして大きければ大きいほど良いのでしょうか?
基本は出力=音の大きさ
アンプのワット数とは、基本的には何を意味するものなのでしょうか?
それは、簡単に言えば、音の大きさを表します。
スマートフォンでパソコンなどで音楽を聴くとき、どれだけ音量を最大にしても、全然大きな音で聴こえない・・・なんてことを感じたことはないでしょうか?
これは、スマホやパソコンに内蔵されているアンプ回路の出力が小さいために、音があまり大きくならないことが大きな原因です。
ただし、音の大きさとアンプの数値は完全に比例している、というわけではないので、あくまで目安として考えましょう。
アンプのワット数を考えるときに重要なポイントは、スピーカーとの関係性です。
パソコンなど普通の音の出る機器やギターアンプなどは、アンプとスピーカーが一緒になっているので問題ありませんが、単品のアンプでは大きなポイントになります。
組み合わせるスピーカーの許容入力値がポイント
単品のアンプを購入する場合は、アンプの出力ワット数とともに、スピーカーの許容入力数も考慮して決めましょう。
スピーカーの許容入力とは、どれだけのワット数を受け入れられるか、という意味ですが、この数字がアンプのワット数を上回ることが良いとされています。
スピーカーの許容入力が仮に100Wだとして、アンプの出力が100Wを超えているならスピーカーが壊れてしまう、というわけではありません。
どちらかというと、スピーカーの入力値よりもアンプの出力値が高いほうが、スピーカーを存分に鳴らすことができる、というイメージを持ってよいでしょう。
実際には、アンプの出力値はスピーカーの入力値の2倍程度でも良いとされています。
逆にアンプの出力値がスピーカーより低すぎると、パワーが足りないために、音量を上げたとしてもメリハリのないひらべったい音になってしまいます。
音質という観点からも、アンプがパワフルなほうが良い、というわけですね。
ただし、この両者の数値があまりにも極端すぎると、逆にスピーカーの音割れなど不具合がでて故障にもつながるので注意が必要です。
以上のことから、アンプのワット数を選ぶ際の最大のポイントは、組み合わせるスピーカーの数値にあわせて決めることが重要です。
カーオーディオなどでは音割れ・故障に注意
出力に関するトラブルで多いのは、カーオーディオで出力の大きいアンプを使用することによるスピーカーの音割れや故障です。
いくらもともとの出力が高いアンプでも、小さい音で聴いていればスピーカーにトラブルは起きません。
しかし、カーオーディオでは、車内という密閉された空間ゆえに、かなりの大音量で音楽を鳴らすことがよくあります。
そのときに、出力値の高いアンプで、大音量で許容入力値の低いスピーカーを鳴らすことで音割れや故障を招いてしまうのです。
ですので、特にカーオーディオでは一層の注意が必要といえそうですね。