ギターなどの楽器用のアンプを使用するときに出てくる言葉として、「FXループ(エフェクトループ)」というものがあります。
これはいったいどういう意味で、どのように理解しておけばよいのでしょうか?
まずはアンプの仕組みを理解しましょう
FXループとは何か?を知るためには、まずはギターアンプの仕組みを理解する必要があります。
ギターアンプの内部は、「プリアンプ部」と「パワーアンプ部」に分かれます。
ピュアオーディオを趣味にしているならすぐに理解できるでしょうが、プリアンプ部とは、ギターなどから入ってきた音の音量をかえたり、低音や高音の調整をするイコライザー、エフェクターなど、入ってきた信号に変化をつける役割をもっている部分になります。
しかし、このプリアンプ部では、まだスピーカーで音を鳴らすために必要な大きさの電気信号にはなっていません。
そこで、信号は次にパワーアンプ部に送られ、ここで増幅が行われ、スピーカーに出力されるという仕組みになっています。
ところで、楽器を演奏するときに使用するオーディオ関係の機器は、アンプ以外にも、ディレイなどの単品のエフェクターやボリュームペダルなどがあります。
これをアンプにつなげて使用するという場合もあるのですが、このときに登場するのが、FXループというものなのです。
アンプと各機器がつながっている状態を指す言葉
アンプの端子部分を見ると、センド(SEND)端子や、リターン(RETURN)端子と書かれた端子を見ることができると思います。
このセンド端子はプリアンプの回路の一番最後の部分(パワーアンプに向かう直前)にあり、いっぽうのリターン端子はパワーアンプ回路の一番前につながっています。
エフェクターやボリュームペダルをつなぐ場合には、このセンド端子からこれらの機器に入力し、さらに各機器の出力端子からリターン端子に信号を戻すという流れになるのです。
これを図式すると、ぐるっと丸い回路のようになることから、これをFX(エフェクト)ループ回路、と呼ぶのです。
つなぎかたは一直線ではなくループになるように
まとめると、アンプと各機器をつなげたものがぐるっと回路のようになっているものを、FXループと呼ぶということでした。
注意点としては、ギターからディレイやボリュームペダルを経てアンプにつなぐという、一直線の流れにしてはいけないということです。
このようにしてしまうと、ディレイのあとにアンプの歪みが発生するという流れになってしまうため、ディレイの効果が薄れてしまうといった悪影響が発生してしまうからです。
正しいつなぎ方の覚え方として、この「ループ」というキーワードが入ったFXループという言葉が使われるのでしょうね。