オーディオ機器の中には、シンプルに可変抵抗器を主にした、アッテネーターという機器があります。
電源が必要ない、構造がシンプルなど、個性的な特徴を多く持つアッテネーターですが、これは、どのような機器なのでしょうか?
アッテネーターはどんなもの?
アッテネーターは、減衰器と日本語では呼ばれており、パッシブプリアンプなどの呼び名もあります。
具体的には、電源を必要としないボリュームを調整するための機械で、アンプのような筐体を持ったもので使い方も一般的なプリアンプやプリメインアンプと同じようなものがあったり、あるいはスピーカーユニットにボリュームツマミのようなものとしてついている場合もあります。
極端な言い方をすれば、アンプのボリュームに入出力端子がついただけのもの、といっていいでしょう。
抵抗器をはさんでいるだけなので、基本的にはCDプレイヤーなどの機器から入ってきた信号に抵抗をかけて音の調節をしているだけなので、電源を必要としないということになります。
ボリューム調整ということは、プリアンプとほとんど変わらないような気もしますが、電源を必要としないため、余計な回路もなくそのためパワーアンプの個性をより生かしたシステムを構築できるという利点があります。
いっぽう、良いアッテネーターの選別は難しく、当たり外れも多いというのが実情のようです。
プリアンプとは使い方は違う?
アッテネーターは、そのシンプルな構造から、可変抵抗器の品質でほとんど決まってしまうといっても過言ではないといえます。
また、入力切替スイッチやバランス調整ツマミなど、一般的なプリアンプにはあるものも、できるだけない、極限までシンプルなもののほうが音質的に望ましいとされています。
さらに、出力側のケーブルについては、「低静電容量タイプ」とし、長さはできるだけ短く、可能であれば1m以下であることが望ましいとされています。
このように、アッテネーターをプリアンプとして使用する場合は、単に代わりとして使うのではなくまた違う機器であるとみなして使い方も変える必要があるのです。
シンプルさゆえに勝機あり?
アッテネーターは、そのシンプルさゆえに、自作で抵抗器とシャーシを作りあげる人も多くいます。
アッテネーターを使うべきかプリアンプを使うべきか?これは難しい問題で、結局はその機器次第、あるいはパワーアンプとの相性次第ということになるようです。
しかし、シンプルであるがゆえに余計な要素が少ないため、うまく使えばプリアンプよりもはるかに安いコストでよい音質を手に入れられるかもしれませんね。