パソコンで楽曲作成の作業を行う、通称「DTM」。
その中で出てくる用語の中に「バッファ」というものがあります。
実際には「バッファサイズ」という言葉で使われることが多いのですが。これはいったいどのようなものなのでしょうか。
まずはレイテンシーの意味を知りましょう
まず、DTMにおいてよく使われる言葉に「レイテンシー」というものがあります。
これは、リアルタイムでモニタリングをしたときに、パソコンから自分の声や楽器の音が実際よりも遅れて聞こえる現象のことを言います。
中学校のとき、英語で「遅れる」という意味の英単語で「late」というのを習ったと思いますが、「latency」はこの名詞形というわけですね。
DTMの際は、まず楽器やボーカル音などのアナログの音声信号をパソコンに送り、デジタル信号に換えます。
そしてモニター音など、パソコンのスピーカーやヘッドホンから音を流すためにもう一度アナログ信号に換えて出力するという流れになります。
人間はデジタル信号の音を聴くということはできません。レコードでもCDでもすべて最終的にはアナログ信号に変換されて、私たちの耳に届くわけです。
つまり、変換処理がとっても多いということなのです。
その処理のためにパソコンはフルパワーで動作することになりますが、それでも処理に遅れは出てしまいます。これがレイテンシーが起こるしくみです。
バッファサイズは大きければ大きいほどよい?
レイテンシーが起こるのをできるだけ防ぐためには、音声データを一度にどれだけパソコンに提供できるか、ということが重要になります。
たとえるなら、早食いの人にバケツ一杯のラーメンをあげれば、一気にたいらげることができる(処理できる)でしょうが、わんこそばのようにとても小さいお碗に小出しで出されたら、どれだけ早食いでもそのスピードにはかなりの遅れが生じてしまいます。
この、バケツ(お碗)の大きさを、「バッファサイズ」と呼びます。
パソコンのメモリのようなものだと考えてもいいでしょう。
ということで、バッファサイズは大きければ大きいほどよい・・・ということならば話は単純なのですが、これを大きくしすぎると、一度に大量のデータを送ることになり、処理がしきれなくなりフリーズや音が途切れる現象が起こる可能性があります。
サイズの変更はDAWで行う
このバッファサイズの変更は、DAWによって設定をすることができます。
DAWとは、DTMを行う際に使用するパソコンのソフトウェアのことを指します。
フリーのソフトウエアがネット上でダウンロードできたり、単品のオーディオインターフェイスを購入したときに付属していることがあります。
「少なすぎず、大きすぎず」を念頭に置いて、ベストなバッファサイズの調整にチャレンジしてみましょう。