いまやわれわれの生活に欠かすことのできないオーディオプレイヤー。
その歴史はどのようなものだったのでしょうか。
本格的に書こうと思えば何千文字あっても足りませんが、ここではコンパクトにまとめてみようと思います。
オーディオプレイヤーの20世紀の歴史
1960年代に入ってから、いわゆるステレオシステムが普及していきます。
それまでの蓄音機などにとって代わり、より音がリアルで扱いやすいオーディオライフが自宅で楽しめるようになっていた、いわばオーディオの黎明期といえる時代といえるでしょう。
1970年代に入ると、FMラジオを搭載した「ラジカセ」が登場し、AMに比べてクリアなサウンドであるFMラジオ番組で流れる音楽を録音する「エアチェック」が主流になります。
70年代は、「録音する」ということが一般的になっていった時代だといえるでしょう。
80年代は、82年にCDプレイヤーが登場し、デジタルの時代が本格的に到来します。
しかし80年代はまだまだレコードやカセットなどのアナログプレイヤーが主流であり、基本的に楽曲はレコードとカセットのどちらか(あるいは両方)で発売されることがほとんどでした。
90年代に入るとアナログのシェアは急激に減っていき、いよいよCDをメインとしたデジタルの時代が到来します。
CDだけではなく、MDやDATといった「デジタルで録音する」ということが一般的になっていった時代であるともいえます。
またこの頃は、各ユニット同士の接続が不要な、いわゆるオールインワン型のミニコンポが一般向けに広く普及していった時代で、単品オーディオがだんだんとマニア向けになっていた、オーディオ機器の転換期となった時代ともいえるでしょう。
音楽は「モノ」から「データ」へ
2000年代に入ると、さらにオーディオ界に大きな衝撃が起こります。
それまでオーディオメディアはCDやMD,カセットなどあくまでも「モノ」として扱われてきました。
それを再生するためのオーディオプレイヤーがあったわけですが、ipodの爆発的ヒットなどにより、MP3方式の音楽再生方式が主流になっていきます。
オーディオメディアが、「モノ」から「データ」に変わるという、非常に大きな転換期です。
さらに、インターネットを通じて音楽データを受け取り、再生できるという画期的なシステムが登場します。
このような音楽メディアの進化に対応したものが、ネットワークオーディオプレイヤーです。
現在でも「モノ」が愛される
データ再生を行うプレイヤーが登場した昨今ですが、現在でもCDプレイヤーやレコードプレイヤーなどがオーディオの世界では愛されています。
電子書籍が普及した現在でもモノとしての本が愛されているように、オーディオも、やはりレコードやCDなどのモノとして所有するすばらしさは変わることはありません。
今後は、データとモノが共存するプレイヤー作りが進んでいくことでしょう。