オーディオの音質改善の方法の際に、話に挙がることが多いのが「アース」です。
アースは、音質改善のために絶対に必要なのでしょうか?
接地アースはとる必要あり?
オーディオのアースのとりかたには、「接地アース」と「機器同士でアースをとる」の2種類があります。
オーディオの音質改善を徹底的に追求する場合、接地によるアースをとることが望ましいとされます。
簡単に言うと、よく湿った地面に1メートルやそれ以上の穴を掘り、そこに銅板などを埋め込むといった作業が必要となります。
理想的な抵抗値は10Ω以下といわれることがありますが、この抵抗値にするために深く地面を掘る必要があり、また深く掘れば掘るほど土が出てくるので、その処理なども考えながら作業しないといけません。
個人で行うことはかなり難しく、工事業者に依頼することが多いですが、当然それなりの金額もかかってきます。
地面から遠い、マンションの上層階に住んでいる方であれば、難易度はさらに上がります。
どのようにしても不可能、というケースも十分に考えられます。
これをすべてのオーディオファンがするべきか?と問われれば、そうではないと言わざるをえないでしょう。
その人の環境によっては、振動対策や室内音響など他に手間とお金をかけるべき場所があるはずです。
まずはそういった課題を解決することを考えることが先決といえるでしょう。
機器間同士のアースは必要か?
次に、機器同士でアースをとる方法です。
これは、オーディオ機器の筐体にかかるシャーシ電位が音質に影響を与えるということで、その電位を低くすることを目的に機器間でアースをとることです。
よくあるのはレコードプレイヤーのノイズを消すためにアンプにアースをとることで、これはハム音などを消すために必ず行う必要があるものです。
いっぽう、SN比の向上を目的として、CDプレイヤーなどとアンプでアースをとる場合があります。
このような音質改善のためにアースをとるべきか?ということについては、「機器の相性によっては、する必要もある」という感じです。
シャーシ電位の差が大きいために、アースをとることが効果的である場合もあるからです。
ただ、誰でも必ずするべきか?となると、絶対に必要とはいえないと思われます。
できることを試してみましょう
以上、アースの必要性について解説しました。
結論としては、「できる範囲でやってみましょう」ということに尽きると思います。
オーディオの理想を追い求めていけば、自宅の敷地内に電柱を立てるなどの究極にまで行き着きます。
上をみてはキリがありません。まずは今自分ができる範囲で、改善できることを試していくのが一番良いでしょう。