オーディオにおける定位とは、簡単に言うと「音が本来の場所(定位置)にあるかどうか」ということを指します。
たとえば、ボーカルの入った曲をステレオで聴くと、ボーカルは中央から聴こえるのが基本です。
定位はどうやって確認するのでしょうか?
またどのように調整するのでしょうか?
定位とはどうやって確認する?
定位というのを理解するときにわかりやすい方法として、自分のリスニング位置を変えて確認する方法があります。
まず、左右のスピーカーを、どちらとも少し内側に角度を変えます。
左右のスピーカーと、リスニングを行う位置、すなわち自分の頭の位置を結ぶと三角形になるようにするイメージです。
次に、ボーカルがはいった曲を流します。
そしてそれを聞きながら、自分の体を前方にずらしたり後方にずらしたりします。
このとき、ボーカルの声がちょうど左右のスピーカーの真ん中に聞こえるような場所があるはずです。
その場所で聞いていると、ボーカルや、そのほかの音もばっちり締まったように聴こえると思います。
この場所が、音の本来の正しい場所、すなわち「定位の正しい位置」だといえます。
(ただし、音源の録音状態により異なる場合が考えられます)
極端に前方(アンプの目の前など)や、思いっきり後方まで下がって音を聴くと、ボーカルがなんとなく変な方向から聴こえるように感じませんか?
このとき、他の楽器の音などもぼやけて聴こえてくるはずです。
これが、定位が定まっていない状態だといえます。
ベストな定位をキープする方法
このように自分が動くことで定位を変えることができますが、いつも動いていてはいられないし、それだけでベストな定位をキープすることはできません。
定位を正しくするためには、まずはスピーカーの位置をしっかりと整える必要があります。
自分までの距離が左右のスピーカーがともに同じ距離になるのはもちろん、その角度も重要です。
理想は二等辺三角形を描く形といわれています。
これらのスピーカーの位置を調整するアクセサリーなどもあるますので、一度試してみるのも良いでしょう。
また、左右の音の大きさが正しいかも確認します。
スピーカーやアンプの不具合で、片方の音が小さければ、そのスピーカーだけ遠くにあるのと同じことになってしまうし、片方が大きくてもバランスが悪いのは同じことです。
アンプのバランスのツマミで調節するなどで簡単に調整できるので、意識してみましょう。
また、スピーカーケーブルの+と-が逆になっていると定位がおかしくなりますので気をつけましょう。
はっきりおかしいとわかるので、すぐに気づくと思いますが。
定位が定まっていなければ宝の持ち腐れ
定位が定まっていない状態では、どのような質のいいオーディオ機器で聴いても、いつまでもピントのずれたような音になってしまいます。
スピーカーの位置取りをすることなどは、オーディオの音質向上の基本です。
定位は、ぜひとも確認しておきたい項目ですね。