オーディオ雑誌などでよく目にする、「解像度」という言葉。
なんとなくわかっているようでわからないこの言葉、実際にはどういう意味があるのでしょうか?
そもそも「解像度」という日本語はどういう意味?
もともと解像度という言葉は、パソコンのディスプレイや、スキャナー、デジタルカメラなどで使用される言葉です。
解像度の厳密な定義とは、「デジタル機器で映像や画像などを点(ドット)の集合で表した場合に、その点の密度を表す際に使用する言葉」になります。
つまり、解像度が高いといえば、きめが細かい(ドットが細かい)、奇麗な画像。
解像度が低いといえば、きめが粗い(ドットが粗い)、不明瞭な画像ということになります。
要するに、もともと画像や映像などの視覚情報に対して使用される言葉であり、オーディオなどの音声情報には本来は使われることのない言葉であるということができます。
では、オーディオにおける「解像度」とは?
では、なぜオーディオで解像度という言葉が使われているのでしょうか?
実は、オーディオにおける「解像度」という言葉のはっきりとした共通認識されている定義というのはありません。
つまり、「誰かが言い出して、自然と広まった言い方」であるといえます。
簡単に言えば、オーディオの解像度が高いというのは、音が奇麗で、一方低いというのは音が粗いという意味合いでしょう。
このような言葉が使われるようになったのは、もともとオーディオにおいて「演奏者や歌手が、まるで目の前にいるような臨場感」という音が追求されてきたことが大きいのだと思います。
つまり、はっきり演奏者の手さばきだったり、歌手の唇の動きなどが、(あくまでも脳内でですが)はっきりと見えるような音が最高の音だということです。
このことから、もともと映像の世界で使われた解像度という言葉が、すんなりオーディオに受け入れられてできたということが言えるでしょう。
なお、このようにアバウトな言葉なので、「絶対的に解像度の高い、低いオーディオ機器」という表現はなるべくせず、あくまでも二つ、それ以上の数のオーディオ機器と比較して、相対的に解像度を高い、低いという言葉を使うほうが望ましい、とされているという説もあります。
あまり気にしないようにしましょう
以上のように、オーディオにおける解像度とは、はっきりした定義のない言葉ですので、あまり気にする言葉ではないと思います。
なんとなく、機器の紹介レビューなどで解像度が高いと書かれていると、いいもののように聞こえてしまいますけどね。
それよりは、SN比など数値化されたものを参考にしたり、実際に自分で試聴をするほうが賢明なのかもしれません。