木材をはじめ、さまざまな素材で作られることの多いオーディオラック。
その中でガラス製のオーディオラックに関しては、いろいろな意見があるようです。
果たしてガラス製のオーディオラックは、音質的にアリなのでしょうか?
評価は結構分かれている
ガラス製のオーディオラックは、音が全体的に硬くなる、というような理由で否定的な意見と、そんなことはなく、製品ごとで当然差はあるものの、ガラス製だからといって悪いとは限らない、という意見で割れているようにみえます。
オーディオラックは、スピーカーから放たれる振動が床などを伝ってやってくるのを防ぐのが音質面では大きな目的です。
そのため、材質に関係なく、薄かったり軽かったりするラックでは、ラック自体が簡単に振動してしまい、その役割を果たさなくなってしまいます。
ガラスも、もともと強度が高い材質であるということもあり、しっかりした厚さ(2センチくらいが目安でしょうか)があれば、立派にオーディオラックの役目は果たすといえるようです。
もちろん、木製のほうが温かみのある音になりやすいというのはあるので、音の好みにより選ぶべきかどうかは変わってきます。
ガラスは音に良くないからスピーカーまわりには使われない?
また、たまに聞かれる意見として、「ガラスはデザイン重視ということもありオーディオラックに使用されるが、スピーカースタンドやスピーカーボードには使用されないので材質的に良くないのでは」というものがあります。
確かに、スピーカースタンドやスピーカーボードなどでガラス製というのはほとんどみかけたことはありません。
しかし、これはオーディオラックの話とはほとんど関係がありません。
なぜなら、オーディオラックとスピーカースタンド類では、その目的がまったく異なるからです。
オーディオラックは、床などから来る振動からオーディオ機器を守ることを主な目的としています。
イメージとしては、下からくる振動を上にあがらせてこないという感じです。
いっぽうスピーカースタンド類の目的は、演奏中で振動しているスピーカーが、その載っかっている台も振動することにより起こる共振が音質に悪影響を与えるので、それを防ぐのが主な目的です。
イメージとしては、振動を下に逃がす、ということになります。
なので、オーディオラックとスピーカースタンド類は、オーディオ機器を収納する家具というくくりでは同じですが、性質としてはまったく違うものであると考えてよいでしょう。
このことでガラスのオーディオラックが音に良くないとするのは間違いだといえます。
デザイン重視という考えでもよいのでは?
結局、ガラス製のオーディオラックが良いか悪いかというのは、音の好みなどもかかわってくるので人それぞれということになるでしょう。
しかし、振動対策ということであれば、インシュレーターなど他の対策法で音の傾向などを調整することができます。
そう考えると、ある程度の頑丈さ、厚さが確保できているのなら、あとはデザインなどの好みで選ぶということでも良いのではないでしょうか。
目で楽しむというのも、オーディオの重要な要素のひとつです。
木目のようにはがれたりしないというメリットがあるなど、収納家具としての要素を重視するのが後悔のない選び方なのではないでしょうか。