オーディオアクセサリーの代表格であり、消耗品として扱われることも多いスピーカーケーブル。
しかし、1メートルあたり1万円を超えるものもあるなど、決して安いものではありません。
良いケーブルほど、できるだけ長い期間使いたいものですよね。
その寿命はいったいどれくらいなのでしょうか?
スピーカーケーブルの寿命は半永久的?
基本的には、被覆で覆われた部分のスピーカーケーブルの銅線は、錆びるなどして劣化することはありません。
空気に触れることがなければ、通常ケーブルの銅線は錆びることはないからです。
ためしに、自宅にある、何十年も経っているような古い電化製品などの電源コードをはさみなどでチョキンと切ってみましょう(もう使うことがないものですよ!)
すると、外見はぼろぼろになっている電源ケーブルも、中の銅線はピカピカに光輝いていることが見て取れるはずです。
これと同じことがスピーカーケーブルにも起きているのです。
しかし、実際にケーブルを使用し続けると、プラグに接続する際に被覆を切った先端の部分の銅線はその輝きを失い、灰色のようになってしまうのを見たことがある方も多いでしょう。
これは、むきだしになった銅線は空気に触れて酸化して錆びてしまったことによります。
このようになると、音質にも悪影響を与えてしまいます。
では、いったいどうすればよいのか?
答えはシンプルで、その酸化した部分を切ってしまい、その下、まだ被覆で覆われている部分の銅線をニッパーなどでむきだしにして、また使用すればよいのです。
まるでトカゲのシッポ切りのようですが、このように新しくしてしまえば、半永久的にスピーカーケーブルを使用することも不可能ではありません。
Yラグやバナナプラグを活用しよう
とはいえ、時々酸化していないかをチェックして、それをニッパーでむき出しにして・・・という作業は、結構めんどくさいもの。
また、これをやっていけばいつかはケーブルが短くなっていき、物理的に使えなくなってしまうことも考えられます。
そこで、このむき出しの部分に処理を行うことで、面倒な作業をカットする方法があります。
それが、Yラグ端子やバナナプラグと呼ばれるプラグをむきだし部分にとりつけること。
Yラグは、アース線などでよくみかけるY字の端子のことで、バナナプラグはスピーカーケーブル版RCAケーブル端子のようなものです。
はんだごてなどで溶接するような作業は必要ありませんが、取り付けた部分に熱収縮チューブ(熱を加えることによって収縮するチューブ)をとりつけ、空気が入らないようにきつく締めるような作業を行うことはあります。
それほど難しい作業ではありません。
この処理をむき出し部分に行えば、ストレスなく長い期間スピーカーケーブルを使用することが可能になることでしょう。
どうせ買い替えるだろうからあまり気にせず
このように、適切に処置を行えば、半永久的に寿命を延ばすことも可能ではあるスピーカーケーブル。
しかし、Yラグやバナナプラグを使用する目的は酸化を防ぐことによる音質劣化を防ぐことであり、ケーブルの寿命を延ばすことを第一に考えられて作られたものではありません。
そもそもケーブルは何年かに一度は買い替えをするはずです。
なので、上記のことを頭に置いておけば、次の買い替えまではもつ・・・くらいの気持ちで考えておけばよいでしょう。