オーディオアンプの主流である「トランジスタアンプ」と、ノスタルジーあふれる「真空管アンプ」。
一度は手にしてみたい真空管アンプですが、トランジスタアンプとはどのように違うのでしょうか?
一番の違いは「扱いやすさ」
真空管アンプとトランジスタアンプの一番の違いは、その扱いやすさだといえるでしょう。
トランジスタアンプは、ホコリがこもらないように、アンプの天板の放熱の穴をふさがないように設置するとか、使用しないときにはホコリが入らないように放熱の穴に布をかぶせておくなど、ちょっとしたメンテナンスで長く、正常に使用できることが多く、使い勝手は良いといえるでしょう。
一方、真空管アンプはちょっとした管の接触不良でノイズが発生してしまったり、すぐに管自体が発熱し、最悪の場合管が破裂してしまうといった大きなトラブルが発生することもあります。
お手軽に使うことができるのがトランジスタアンプ。
手がかかるけど、その分自分の子供のように可愛く思える?のが真空管アンプといえるのではないでしょうか。
そのため、あまりメンテナンスや使用に気が回らない、という人は真空管は避けたほうが良いでしょう。
音質面での違いを語るのは不毛?
では、音質という面ではどのような違いがあるのでしょうか?
ノイズが多くて音がクリアではないというイメージがあるレコードですが、レコード盤によっては、CDをはるかに凌ぐようなクリアでリアルなサウンドを聴くことができることがあり、驚かされるものです。
これは、再生するプレイヤーの問題というよりも、録音状態が大きな要素となっています。
真空管アンプも同じことが言え、温かみがあり、奥行きのある音がする(これらはつまりノイズが多いということでもあります)という意見をよく聞きますが、製品によってはトランジスタアンプよりもクリアな音質を出す製品もあるのです。
また、こもったようにしか音が聞こえない出来の良くないトランジスタアンプも当然あります。
つまり、音質的には、その個々の製品による、というのが実際で、真空管とトランジスタという分け方は、音質という面ではひとつの目安にしかなりません。
さらに、絶対的な音質の良し悪しというものもなく、結局はその人の好きな音=音質のよい音、ということになるので、音質的に真空管が良いかトランジスタが良いかと語るのは不毛であるといえるでしょう。
真空管使用の多いギターアンプで楽しむのも一興?
現代の選択肢の多さと価格帯の幅広さなどから考えると、まずはトランジスタアンプから導入し、その後真空管アンプの世界に入っていくのが良いかもしれません。
なお、ギターアンプには現代でも真空管を使ったものが多くあり、こちらをサブに使用して楽しんでみるという方法もあります。
せっかく選択肢があるのだから、どちらか一方のみと決め付けず、いろいろと試してみたいものですね。