スピーカーは、基本的にはユニットと配線ケーブル、箱を構成する木材などがあれば製作できるものです。
この手軽さから、自作でスピーカーを作る人も増えてきています。
メーカー製と自作スピーカーを比較してみると、どのような差が出てくるのでしょうか?
ただし、音質はその商品、自作の仕方により当然変わるので、ここではそれ以外の部分で比較してみます。
やはり安心できるメーカー製
メーカー製のスピーカーを利用する利点は、やはり安心感とそれなりの音質を確保できることでしょう。
また、フルレンジスピーカーであれば、自作なら配線と箱への組み立てなどのシンプルな手順でできますが、2WAY、3WAYのスピーカーとなるとスピーカーネットワークなどもスピーカーユニットの性能を最大限に生かす組み合わせが必要になっています。
そのような設計があらかじめなされているのも、メーカー製の魅力といえるでしょう。
また、箱の外見の仕上がりもキレイに仕上がっているので、持つ喜びも手軽に味わうことができます。
一方で、箱の形やユニットの編成はだいたい同じものが多く、変わったバリエーションが少ないのはメーカー製の物足りないところだといえます。
自作はなにより自由度が高いのが魅力
自作スピーカーの一番の魅力は、「市販されていないようなスピーカーづくりにチャレンジすることができる」の一言に尽きるのではないでしょうか。
たとえば、平面バッフルのスピーカーなどは、まず市販されているものを探したとしても、なかなか見つかるものではないでしょう。
平面バッフル型とは、箱型のスピーカーではなく、一枚の板にスピーカーユニットがつけられているものをいいます。
また、後ろの面だけがなく開放されている「後面開放型」というものもあります。
技術の進歩が進んだ結果、スピーカーは箱の中に納められているもの(密閉型)というものがほとんどになりましたが、オーディオとは技術の進化=音が良くなっている、ということとは限りません。
あくまでも「自分好みの音」というものが人それぞれにあり、それを手に入れるためにいろいろな工夫、チャレンジも必要ということになるのです。
そうでなければ、いまだにレコードやカセットテープ、真空管アンプなどが愛される理由の説明がつかないですし、それが趣味としてのオーディオだといえるでしょう。
その他素材もバリエーションが多く、水道設備などで使用される塩ビのパイプを使ってスピーカーを自作する人もいます。
この自由さこそが自作スピーカーの最大の魅力であり強みだといえます。
一度は自作にチャレンジしてみよう
このように、自作スピーカーの一番の魅力は、「自由度の高いスピーカーを作ることが出来る」ということがいえるでしょう。
昔、1つ2000円程度の12cmのフルレンジを、ホームセンターで加工してもらった厚さ3センチのシナ板合板で自作したことがあります。
2台で1万円程度、文系の高校生が作ったものだったので、作りは配線をハンダ付けしただけの超シンプルなものでしたが、それでも非常に魅力的な音が出て感動したのを覚えています。
板がかなりの厚さでがっちりしていたことも功奏したのでしょうか。
こういった組み合わせのスピーカーは、まずメーカー製ではお目にかかれないものだったと思います。
手軽に感動的なものが作れる可能性がある自作スピーカー。
あなたもぜひ一度チャレンジしてみてはいかがですか?