スピーカーの音質を改善するために必要な対策のひとつといわえている、エージング。
このエージングは、特に低音に効果的であるといわれています。
実際、エージングは低音に効果的で、中高音にはあまり効果がないのでしょうか?
なぜエージングを行うのか?
エージングを行う主な目的は、スピーカーのエッジをなじませる(やわらかくする)ことにあります。
エッジ部分は劣化してしまうため、それを防ぐために、あらかじめ薬剤を添付してあります。
この薬剤が、エッジを硬くしてしまうため、音質を改善するためにはこれ徐々にやわらかくしていく必要があります。
その際に行うのがエージングで、方法は、やや大きめの音量で音楽を鳴らし続けること。
およそ100時間から300時間程度が目安といわれています。
大きめの音で鳴らす必要があるのは、エッジをやわらかくするのに必要な適度な振動をスピーカーに与えるためです。
これが、エージングをするべき、といわれる理由になります。
そもそもツイーターにはエッジがない?
スピーカーによるエージングによる効果は特に低音に大きいとされることがよく言われますが、これは主にエッジをもつスピーカーがウーファー部分であるということが大きいのではないでしょうか。
特に、小型のスピーカーの場合、エッジを持つウーファーと、エッジのないドーム型のツイーターという組み合わせが多く、その場合、理論上はツイーターはエージングをする意味がないので、当然高音部分には何も効果がないということになります。
ただし、耳がなじんできて良い音に聴こえるようになるということは起こるかもしれません。
ツイーター部分は、エージングに必要と考えられる振動を確保できるとも考えにくく、エージング効果はかなり低いのではないかと考えられます。
そのため、ひとつのスピーカーで全音域を鳴らすフルレンジスピーカーをエージングした場合は、低音から高音まで音が良くなってきた、という声もあります。
これは、エッジをもつスピーカーを使用しているからであり、このような結果となるのは当然のことだといえるでしょう。
音の変化を楽しみましょう
以上、エージングにより音質が改善されるかどうかは、エッジがあるかないかで左右されるということでした。
場合によっては高音域などは効果がない可能性もあるということでしたが、それでも低音や中音の改善による効果は非常に大きいはずです。
エージングで、音が変化していくのを楽しみながら見守りたいものですね。