すでに過去のもの、というイメージのある真空管アンプ。
しかし、現在でも世界中で多くの人に愛されており、日本でも新作の真空管アンプはよく見かけます。
では、真空管アンプの音質には、どのような特徴があるのでしょうか?
音楽特性は劣るけれど・・・
真空管アンプは、どのような音がするのか?
これは非常に難しい質問であり、一言で表現することは困難です。
一般的に真空管アンプの音質は、暖かい音、厚みのある音という風に表現される場合が多くあります。
これは、レコードの音質を表現する場合に似ている傾向があるように思います。
真空管アンプは、トランジスタアンプよりも前に誕生したものであり、その特性の数字(SN比など)はトランジスタには劣ります。
これは、レコードのCDの関係でも同じようなことがいえます(レコードには20KHzを越える音域の情報も入っているという数字的に有利な点もありますが)。
しかし、それでもレコードを今も愛用して聴く人は多く存在します。
これと同じように、適度な音楽特性が、最新のアンプよりも自分の耳に合う、という場合があるゆえ、真空管アンプは現在も多くの人に愛されるのではないでしょうか。
デジタルの刺激が低減する?
何度か、CDの音源で真空管アンプを通して音楽再生を行ったことがあります。
真空管アンプは再生帯域が狭いといわれており、全体的に音が一般的なトランジスタアンプなどに比べるとこもって聴こえるように感じました。
しかし、その分音に厚みがでて、非常に聴きやすい印象を受けました。
CDなどのデジタルメディアの音には、よく「デジタル臭い」というような表現がされる場合があります。
具体的にどのような音かは記述が難しいですが、あまりにもノイズが少なすぎるデジタル音楽は、人によっては違和感のある音に感じたり、長時間の鑑賞で疲労感を感じる人もいます。
レコードなどと比べると、音の刺激が強い、というようなイメージでしょうか。
真空管アンプを通して聴いてみると、ノイズは増えたように感じますが、その分非常に耳あたりがよく、何時間でも聴いていたいという音になります。
「デジタル臭」が取り除かれることは、大きな真空管アンプの音質の特徴かもしれません。
今も需要が多い真空管アンプ
真空管は、すでに過去となった部品を使いまわして使用されているわけではありません。
いまだロシアなどの海外では、需要にこたえるために真空管が多く生産されています。
つまり、今も真空管はオーディオ機器として十分な価値があり、需要があるとされているということです。
また、意外とギターアンプでは真空管が使用されているケースが多いようです。
暖かみのある音は、実はライブなどの音にピッタリなのかもしれませんね。
本当の音質を知るには、とにかく実際に聴いてみるしかありません。
大手家電量販店でも真空管アンプを試聴できる場合は多いので、一度試してみてはいかがでしょうか?